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陶芸

陶芸

今年の初め頃から始めた陶芸。

 

窯を買う事になったきっかけは、元々は「金彩」の焼き直しの為。

金彩が施された器をご購入頂いた方向けの修繕目的です。

DE OJALで取り扱っている金彩の器と言えば、やはり今村能章さんの器。

今村さんの器には贅沢に金が焼き付けられています。

(よく勘違いされる事がありますが、器に焼き付けているのは本物の金。「純金」です。

とっても高価です。)

 

 

ある日、打ち合わせをしていた時に「金彩の焼き直しやってみたら?」と突然の提案をして下さいました。

こんな事言って頂く機会って滅多にあるわけでもなく、

私は面白そうだと感じ、すぐ今村さんに「金彩教えて下さい!」とお願いし

沖縄へ住み込みで修行に行きました。

全く陶芸の経験もなく、美術の才能も特にありませんが、

今村さんはとても丁寧に、そして厳しく教えて下さいました。

 

金彩とは、「上絵」と呼ばれる最後の仕上げの装飾のようなもの。

器に金液を塗り、700〜800度の間で焼成し焼き付けるのですが、

ただ塗れば綺麗に仕上がる訳でもなく。

塗り方が濃過ぎたら剥がれるし、薄過ぎたら紫のような色になるし

刷毛の跡を消したりとか、埃がつかないようにとか

綺麗に仕上げるのは難しいのです。

 

せっかく貴重な技術を伝授して頂いたので無駄にしないようにと

家庭に置けるくらいの小型電気窯を購入し、ひたすら練習の日々。

始めた頃は、私物の今村さんの器を全て焼き直して練習しましたが、そう何回もできる訳でもなく。

 

前置きが長くなりましたが、ここから私の陶芸が始まるのです。

「焼き直しを練習する器が無いなら自分で形を作ればいい。」

陶芸はずっと興味しかなかったのですが、私の性格的に手を出せば沼にハマってしまうので

今まであえて手を出しませんでした。

でも窯を買ってしまったら、もうやるしかありません。

 

案の定ドハマり。こうなる事は最初から分かっていたのです。

土の塊が何かの形になっていく面白さ。

釉薬を掛け、焼き終わった時の窯を開けるワクワク感。錬金術。

子供に戻ったかのような、あの頃泥団子をカッチカチにピカピカに作っていた記憶が蘇り

大人になって本気で土遊びをする。

楽し過ぎて毎日土を触っています。

お店の一部はもはや工房。

まぁ、「お店」という感覚はあまりなく、私自身を表現する場所なので全然良いのです。

制作工程を展示する事で、来て下さるお客様にも良い効果があるようで。

器作りのプロセスも知れるし、楽しさも難しさも伝えられ、

なかなか見れる機会もないでしょうし、私にとってもお客様にとっても貴重な経験だと思います。

器を販売する身として、伝え手としてとても重要な事を始めたなと感じております。

 

陶芸を始めて今で9ヶ月。

自分を通して少しでも陶芸の楽しさが伝われば幸いです。